文先生はどのように「原理講論」を見ておられたのでしょうか
文先生はどのように「原理講論」を見ておられたか
さて、文先生は原理講論をどのようにご覧になっていたのでしょうか。
み旨と世界(祝家庭と理想天国2)という御言集があります。その中に38の説教が収録されていて、その一番はじめに収められた「復帰と祝福」P11に
この御言は、1969年に東京教会において日本語で語られた御言です。
原理講論の初版が1966年5月韓国において発行されましたから、わずかその3年後に語られた御言です。
原理講論は、歴史路程においてなされた結果的記録なのだ、これをいかにして蕩減すべきかということについては、まだまだ述べられていない
さらっと読めば、
へえ~ そうなんだ… で済んでしまう箇所でしょう。
しかし、この部分をよ~く目を凝らしじっくりと考えながら読んでみると、とんでもないことを言われていることに気付きます。
原理講論には、歴史路程をどのように蕩減すべきなのかについては述べられておらず、しかも、この1969年時点において、先生ご自身が闘ってその蕩減路程を勝利し切り開いていくと、なかば決意表明のように語っておられるのですね。
これは裏を返せば、文先生も、まだ1969年当時には蕩減路程の途上にあって、勝利し切り開いておられない・・・ということになります。
原理講論は聖書の解説書
先生が、歴史路程においてなされた結果的記録だと指摘された原理講論の中身を冷静になって客観的に見ると、まるで聖書の解説書のように、どのページにも聖書の聖句が紹介されていますね。
創造原理から堕落論までは、旧約聖書の創世記から始まる内容が登場し、復帰原理では緒論で蕩減復帰についての説明をしておいて、そのあとアダム家庭から聖書史に登場する主要人物の歩みを解説しています。
最終的にイエス様がメシヤとしてこられるも、十字架で亡くなられたその意味を説明し、イエス様以降の歴史を紹介しながら、失ったユダヤ教の2000年がそのままキリスト教史に歴史の同時性として現れていることを論じながら、ルターの宗教改革以降400年がメシヤ再降臨準備時代となるため、そのあとに再びイエス様が来られる時代になる。それが今なんだ・・・と再臨論で訴えて締めくくられています。
従って、当然のことながら、再臨主が誕生してから、その後の路程、および現代における蕩減復帰に関しては全く記述がないため、先生がご指摘される通り、原理講論は「歴史路程において成された結果的記録」に間違いないことがわかります。
ということは、私達の今生きているこの時代における蕩減に関しても、原理講論には何も書かれていないため、それを教科書として全面的に信じ、実践しても、これでは救いが完成することは絶対にないということになります。
「蕩減」という言葉は知っているが、蕩減の路程は行ってない
もう一つの御言はファミリー97年の3月号P11にあります。
語られた場所はブラジル サンパウロ
1997年1月2日 第14回愛勝日の説教の中にある御言です。
ここではっきりと
「統一教会員たちは蕩減という言葉は知っていますが、蕩減の路程はいきませんでした」
と語られています。
かつて日本で受けた21修(1987年3月)のノートを見てみると、信仰生活講座をきちんと受けており、内容は原理講論にないものばかりでありました。きっとお父様の御言や証しなどを独自にまとめたものでしょう。
そのような指導のもとで、私は救いの道を歩むべく、神と真のご父母様を中心に蕩減条件を立てながら、信仰生活を通して歴史的罪の清算をなしつつあると思っていました。
七日断食もやったし、万物復帰もやった。
伝道もやって霊の子も立てた・・
また、原罪清算のための祝福も受けたのです。
しかし、冒頭で紹介したみ言からすれば、1969年東京教会で、先生ご自身が闘って勝利して切り開くと言われた「蕩減路程」を、30年の歳月を流した1997年時点で、「蕩減の路程を行った」のが文先生お一人であり、原理講論を教科書として歩んできた我々会員は、「君たちは蕩減の路程を行っていない」と言われるのは当然といえば当然です。
先生の説教集を訓読する理由
こうなると、私たちの信仰生活は一体なんだったのかという思いになります。蕩減復帰 蕩減復帰と言いながら歩んできたのに、先生からみれば、まったくあさってのことをやっていたことになります。だから先生は、このままでいては誰一人蕩減完成する人が現れないからと、97年から御言集を訓読する運動を先生自ら主宰して推進していかれたのでしょう。
だとすれば、ただ単に御言を読めば良いのでしょうか? いいえ違いますね。御言を理解し、それを実践して、御言の実体にならなければ意味がないことを知っています。
先生が97年の段階で、「君たちは蕩減路程をまだ行っていない」と指摘されて以来四半世紀の時間が経過しました。あの御言を受けて、その後に私たちの歩むべき蕩減路程が何かを明確にわかった人がどれほどいるのでしょうか。また、わかった人の中で、その蕩減路程を歩み蕩減完成された人がいるのでしょうか。
もし、今もなお「私の歩むべき蕩減とは何か」がはっきりわからないままでいるのなら、1997年当時と今の自分は同じだということになってしまいます。
それゆえに、この時代に先生の御言を解説した内容となる「成約時代の原理観」なるものが登場したのだと思います。
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朝日奈
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